サンメディカル創立45周年記念講演会に登壇しました― 矯正治療における「歯にやさしい接着」を考える ―

2026年9月13日、東京ミッドタウン八重洲で開催された「サンメディカル株式会社 創立45周年記念講演会」に登壇させていただきました。
今回の講演会のテーマは、
「Super-Bond Real Practice ~明日の臨床をアップデートする、12人の視点~」
私は、
「なぜスーパーボンドを選択するのか
~矯正臨床における「歯にやさしい接着」~」
というテーマでお話ししました。
矯正治療における接着は、「いかに強くつけるか」だけを考えればよいわけではありません。
矯正装置は、治療が終われば最終的に歯から外します。
そのため、
「治療中は必要な接着力を維持しながら、治療終了時にはできるだけ歯にやさしく外す」
という視点がとても重要だと考えています。
「接着をデザインする」という考え方
今回の講演では、この考え方を「接着をデザインする」という言葉でお話ししました。
ブラケットが途中で外れないための接着力はもちろん必要です。
一方で、必要以上に強固な接着は、装置を外す際のエナメル質への負担や、歯面に残った接着材を除去するための処置にも関係します。
そこで講演では、リン酸エッチングとティースプライマーによる歯面処理の違いをSEM像も用いながら、
・歯面がどのように処理されるのか
・どのように接着しているのか
・ブラケットを外す際に何が起こるのか
という点から整理しました。
単に「よくつく材料」を選択するのではなく、その歯、その装置、その状況に応じて必要な接着を考えることが大切です。
矯正治療ではさまざまな接着が必要です
講演では通常のブラケット接着だけでなく、埋伏犬歯を牽引するための装置の接着など、矯正歯科ならではの場面についてもご紹介しました。
防湿が難しい部位や、簡単には付け直すことのできない状況など、症例によって接着に求められる条件は異なります。
そのため私は現在、症例や部位、口腔内の環境によって複数の接着材料や歯面処理を使い分けています。
「この場面では何を優先するべきなのか」
を考えることが、安定した矯正治療につながると考えています。
半年以上かけて作り上げた記念講演会
今回の記念講演会は、最初のキックオフから半年以上にわたり、サンメディカルの皆様、座長の先生方、演者の先生方と何度も打ち合わせや予演会を重ねて作り上げられました。
私の発表についても、SEM像や文献について学術部の皆様から多くの資料をご提供いただき、細かな部分まで一緒に検討していただきました。
予演会では「接着をデザインするという視点が新鮮だった」との感想もいただき、そこからさらに内容をブラッシュアップして本番を迎えることができました。
講演を準備する過程そのものが、自分自身の日々の臨床を見直す大変よい機会となりました。
矯正治療というと、ワイヤーやマウスピースなどの装置に目が向きやすいかもしれません。
しかし実際の治療は、
どの材料を使うのか。
どのように歯に接着するのか。
そして治療終了時にどのように装置を外すのか。
そうした一つひとつの選択の積み重ねで成り立っています。
今回の講演を通じて得た学びを、これからもSTELLA矯正歯科クリニックでの日々の診療に還元していきたいと思います。
このような貴重な機会をいただきましたサンメディカル株式会社の皆様、座長の先生方、ご一緒させていただいた演者の先生方、そしてご参加いただいた先生方に心より御礼申し上げます。
創立45周年、誠におめでとうございます。


